食堂で

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ものづくりの仕事をしていると
つい 人の手で作り出されたものの方ばかりに眼を向けてしまいがちである。
先日 車で移動中の昼時のこと おなかがすいたので通りがかりの食堂に入った。
店おすすめの日替わり定食なるものを注文して一息すると
テーブルの上に白い磁器の醤油差しがあった。
「ああ これは森さんのデザイン!」とつい口に出してしまった。
懐かしく思えるほど長年の定番品として製品化されている物だった。
定食を運んできたおばちゃんに声をかけてみた。
「この醤油差しはいつごろから 使っているの?」
丁寧に聞いたつもりなのに
「あたしゃ知らんけど ずいぶん前から使っているみたいだよ」と言うや
そっけなく背を向けて行ってしまった。

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さっそく使ってみたが 
何とも手にした感触や使い勝手も良く注ぎのタレもない。
くり返しテストをした結果で製品化されただけあって 道具としての安心感を感じた。

私も作る仕事をしているが とてもかなわないと素直に思ってしまった。
使えるという安心感の大切さを 今更ながら納得しつつ
昼食を 食べることになった。

花どろぼう

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衣更えの6月に入ったものの
毎日 寒暖の差があり 
冬物衣料が 未だに仕舞うことが出来ず 夏物と混在している。
タンスの前には どこに納まろうかと衣類たちが にぎやかになっている。
外では 梅雨には まだ少し早い筈なのに 
このところ 雨に濡れて重さを増した土色を目にすることが多い。
おかげでか どくだみの花たちがツンツンと そこここに花を咲かせている。

内緒の話だが
工房隣のブルーベリー畑が整地され 住宅の分譲地になってしまった。
その工事中のこと ブルドーザーが片っ端から土を削り取っているところに
八重の花を付けるどくだみがあることを思い出した。
ブルドーザーの動きをうかがいながら 
そろり忍び寄り 一株をどろぼうさんしてしまった。

勿論のこと その八重のどくだみたちは
工房の敷地の片隅で しっかりと生きてくれている。 
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今朝 その花を数えてみたら18輪あった。
何とも出番を得たりという姿と花数を誇っているようで
どろぼうした後ろめたさはどこえやら 一人にんまりしてしまっている。