塩津村 冬展のご案内 (終了しました)

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ハナの言い分

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霜月になると ここ塩津村では
海からも 山からも 年の瀬をあおる風がやってくる。

円らな瞳のアタシは 目にゴミが飛び込んでくる季節で困るのだ。
工房でのアタシの居場所は入口シャッターの下で 
ここは吹き抜ける風の通り道で
木屑 粉塵が 舞い上がり大変!
若い頃は 機敏な またたきでやり過ごしていたけれど
今になってはそんな 神経も鈍り 風をくらっている。

主人は 気の毒がって アタシの瞳に目薬をさしてくれる。
それも マイテイア しみないタイプだ。
アタシの気にしている アゴ下の垂れ肉を容赦なく 
ひょいとつまみ うんも言わせず流し込んでくる。
目ヤニ、耳アカも
綿棒で きれいにしてくれるのはいいが 
そのやり方が 乱暴だ。
でも 目に溜まったやっかいなものがとれると
すっきりするので 毎回 歯を喰いしばって ガマンしているのだ。

霜月

富山県 砺波市にあるギャラリーから
展示会の話をいただき 出向くことになった。
10月も後半とあって 紅葉の季節道々の山を眺め
感激のドライブだった。
会場は5日間の会期なので 帰宅せず
富山で ゆっくりすることにした。
宿は 世界遺産のある五箇山、昭和造り のゲストハウスに世話になった。
和室に用意された2段ベッドの下段に寝床をもらい
同室になった のんべえおじさんのいびきを子守唄に 負けじと熟睡した。
夜のひとときは コタツに足を入れ
温泉好きの若者たちと話したり
マニアックなおじさんの話に 耳を傾けたりして過ごした。
近所で営業する薄暗い怪しげな店では
意外とも言える程 美味しい熊鍋料理を食べることができた。
そう このあたりでは 熊が出没するらしく
子供たちの通学姿を見ると
カバンに小さな鐘がくくり付けてあり 
鳴らしては 登下校していた。
 
砺波、井沢は 彫刻の町として知られている所、
40年前に訪れた頃は 瑞泉寺の参道界隈には 
大勢の彫り師が 店先に作業場を設けて
道行く人を楽しませてくれていたが
今では 彫り師の人は減り 静かになっていた。

彫刻の町での展示なので 
私の造る中途半端な木彫を展示するのは 勇気のいるところだった。
案の定 会場には 其の筋の重鎮が何人も来場されることになり 
身の縮む思いをすることになった。
静かな彫刻の町も 東京から来た修行中の若者や
井波の次世代を担う若手彫り師と 
話をすることができ捨てたものではないなと安心をした。
つくる仕事が繋がって欲しいものだと 考えさせられる富山だった。