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笛の話

笛の話2

古い話ばかりでお許しをと、笛の想い出話である。
小学生時代 私は器楽クラブに入っていた。  
楽器もままならぬおそまつな時代であった。

夏休み中は なぜか午後三時までは外出してはいけなくて
自宅で学習をしていなさいという決まりがあったが
テレビもない時代のこと
家の中で大人しくしていられるわけがない。
規則なんぞ どこ吹く風とばかり毎日抜け出ては
海に川に山にと真っ黒に日焼けした体はとても忙しかった。
それでもクラブの練習には早めの身支度をし、
夏休みの日誌を抱えて登校する。
校舎は古い木造のもので
北側の廊下に夏でもひんやりと心地いいことを知っている子供たちは
そこに這いつくばって宿題を開くのである。
本当のところはお互い解けない問題を見せ合って
短くなった鉛筆をなめなめ助け合うというズルをしていたのであった。
こうして日誌の穴埋めを手早く済ませると
心置きなくクラブが楽しめるのだ。

クラブのパートは曲目によって換わる、
ハーモニカ、スペリオパイプ、フルートと口で吹く楽器が多かった。
童謡、文部省唱歌、クラッシックと演奏曲はバラバラであった。
楽器の音の良し悪しなどなにも 解らなかったが、
指導の先生がシルバーのフルートを大切に持っていて
時折吹いてみせてくれることがあった。
本物はスゲーヤ!!とばかり憧れたものだ。 
私のフルートといえば練習用の小ぶりの者で
楽器の貫禄もなく音色もまた別物と思えるほどの違いであった。
それでも ニッケル色した笛から出る音は
当時の私を充分に慰めてくれるものであったことを覚えている。

笛の話1

一度だけ演奏会の本番に先生のフルートを渡されて吹いたことがあった。
腫れ物を持て余すような扱いで
ろくに音も出せず仕舞いであったが
その時の感激といったら小さな胸が張り裂けそうだった。
昭和30年代の話である。
今だに笛の聴くたびに想い出す。
その後は楽器への残ったものの何もせず半世紀が過ぎてしまった。
当時の仲間のひとりは今も変わらず楽器好きで
地元の子供たちから笛のおじさんと慕われ
町内の盆踊りやらお祭には欠かせぬ存在となっている。
そろそろ盆踊りの頃
俺の出番とばかり準備している彼の姿が目に浮かぶようである。

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